Time cures all things

カメオは、汚れきった六畳一間の部屋を奇麗にするために、時計を掛けた。
汚れの上に時計をかけて隠すためでなければ、一体何故？

うっかり部屋の壁を汚してしまったカメオ。

一生懸命奇麗に掃除した後、壁一面を見回したカメオは愕然とした。今まで気づかなかったが、部屋の壁は全体がまんべんなく薄汚れていたのだ。それが、たった今掃除した部分だけが奇麗になったことで、全体の汚さが目立つようになってしまった。

全部掃除しようか、それとも…

カメオはしばらく悩んだのち、掃除した部分に時計を掛けて、隠すことにした。部屋は汚いままだが、比較対象をなくしてしまえば、その汚さに気付くことはない。
『奇麗』になった部屋で、カメオは満足げにほほ笑んだ