ウミガメのスープを一口飲んだ男は、勘定を済ませ、
店を出た数十分後に、崖から落ちて死んだ。
死んだ男は高名な美食家で、飲んだウミガメのスープの
評価を発表する前に亡くなってしまったのだが、
彼がウミガメのスープを残していた事が知れ渡ると、
そのウミガメのスープはおいしいと話題になった。
一体なぜ?
転載元: 「僕のあのウミガメのスープ、どうしたでせうね?」 作者: くるくる武士 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2469
一言解説
「美食家が試食した上で買った物=おいしいに違いない」と話題になった。
ウミガメの味を知っている人はどれほどいるだろうか?
どんな味か想像がつかない上に、なかなか良いお値段である。
長年研究していたウミガメのスープが完成した店主は、
自信作のウミガメのスープの売り上げが芳しくない事に悩んでいた。
地道に試食販売を続けていたある日、有名美食家が店を訪れた。
試食用のウミガメのスープを飲んだ美食家は、ウミガメのスープを
10パック購入して帰って行った。
味の感想など一言もなく、能面のような顔からも表情は
読み取れなかったが、大量に購入して行ったのだから、
きっと気に入ってもらえたのだろう。
店主は、自分の努力がやっと認められた気がした。
その美食家はその後、崖から落ちて死んでしまった。
目撃者もおらず、自殺か事故か殺人かもわからない。
仕方がないので、マスコミは現場に大量に散らばっていた
ウミガメのスープに注目した。
捜査の結果、ウミガメのスープは本人が購入した物だと判明し、
死の前にわざわざ買った物に一切手をつけていない事から、
警察は自殺の可能性は低いと判断した。
依然として死の真相は不明なままだったが、ウミガメのスープとは
どんな味なのか興味を持つ人も多かった。
取材を受けた店主は、ここぞとばかりに「試食で気に入っていただけた」
と宣伝したので、美食家が認めたのだからおいしいに違いない
と話題になった。