カメコが星空を見上げながら独り言を呟いた。
その数日後から、今まで毎日届いていた手紙が届かなくなった。
どういうことだろう?
転載元: 「夜空を見上げて独り言つ」 作者: そーこん (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2455
カメオ
大学に入学して親元を離れて一人暮らしを始めたカメオは生まれて初めて恋をした。
一目惚れだった。
その相手はカメオの隣に住むカメコだった。
どうやら自分と同じく一人暮らしで、隣の部屋からわずかに聞こえる音から男の声がなかったことからたぶん彼氏もいないのだろうと推測した。
廊下ですれ違う時に挨拶する程度だったが、それだけでもカメオの心は高鳴った。
今まで人を好きになることがなかったカメオはどうしていいのか分からず、とりあえず手紙を送ることにした。
しかし、いきなり隣の部屋の住人から好きですと言われて困惑しないだろうか…気を悪くして引っ越しでもされたら…と思いながら書いた初めてのラブレターに自分の名前は載せられなかった。
積もり積もった感情は1通では載せきれなかった。
それからというもの毎日カメコに名無しのラブレターを送っていた。
ある日、窓を開けてくつろいでいると、隣の部屋からカメコの声が聞こえた。
通話でもしているのだろうかどうやらカメコが一人でベランダで喋っているようであった。
そのとき、聞きたくない言葉を聞いてしまった。
「やっぱりスバルが好きだなぁ…」
あぁ…彼氏いたのか…美人だもんな…そりゃあいるに決まってるよな…
カメコさんのことは諦めよう、手紙を贈るのももうやめよう。
カメコ
おうし座っていつ見ても綺麗だよね…
橙色に輝くアルデバランに左角のエルナト…
でも一番は、「やっぱり昴が好きだなぁ…」
エルナトさんのBSにてネタ用の一単語として「風の中の昴」をいただきましたが、これで一つの問題にするのは自分にはできなかったので、「風」と「昴」に分けて出題させていただきました。