墓場で幽霊を目撃したカメオが、『ここには大きなカラスがいるかもしれない』と考えた理由とは?
転載元: 「フギン」 作者: tomo (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2354
今日も墓場の片隅で、ちょろちょろ走るトカゲのカメオ。
ある夜のこと、彼は人間らしき人影を目撃した。『人間らしき』というのは、その人影に足がなかったからである。白い服に身を包み、ボサボサの髪を前に垂らし、ふわふわと宙に浮いている。カメオは首をかしげた。今まで多くの人間を見てきたが、こんな姿をした奴は見たことが無い。これは、本当に人間なのだろうか。
その時、カメオは閃いた。
きっとこの人間は、カラスかなんかに襲われてしまったのだろう。そして、逃げるために足を切断したのだろう。何を隠そう、このカメオ自身も、つい先日カラスに襲われて尻尾を切断したばかりなのだ。
しかし、人間を襲うほどのカラスというと、果たしてどれくらい大きいのだろう。
カメオは天を覆い尽くすほどの黒影を想像すると、慌てて墓石の影に身を潜めるのだった。