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【1周年記念企画】早すぎる投了

[ウミガメのスープ]

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将棋のタイトル戦の一つ、棋仙戦でのできごと。

第1局2日目。
挑戦者、榊原八段の封じ手が開封された瞬間、その場にいた誰もが驚いた。
131手目、4一銀打。あまりにも意表を突く妙手。
1日目、劣勢だった榊原八段は、この手により形勢をひっくり返したかに見えた。

しかしまもなく、133手目にして榊原八段の投了。

榊原八段はなぜそんなにも早く投了したのだろうか?


※用語解説
封じ手:
対戦を翌日に持ち越すときに、手番の棋士が次の一手を用紙に書いて厳封し、立会人に提出すること。
一晩かけて次の一手を長考することを防ぎ、持ち時間の公正さを期するためのルール。
投了:
降参すること。自身の負けを宣言すること。


出題者:
出題時間: 2018年9月30日 21:52
解決時間: 2018年9月30日 22:07
© 2018 低空飛行便 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【1周年記念企画】早すぎる投了」 作者: 低空飛行便 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2322
タグ:

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(4一銀打。これは俺が封じた手ではない。いったい誰が……? しかし、悔しいが、俺の手よりもよほど妙手だ)

開封された封じ手、4一銀打に、その場にいた誰もが――榊原八段自身も含め――驚いた。

榊原八段は、その手が自らの手ではないことを自覚しつつも、震える手で131手目、4一銀打を指す。
山岡棋仙の守りを突き崩す会心の一手。

132手目、山岡棋仙は同金で返す。

榊原八段は、流れが一気に自分に傾いてきたことを感じつつも、棋士としての誇りと良心が、次の一手を指すことを許さなかった。

133手目、榊原八段の投了。

対局後のインタビューで、榊原八段は黙して語らなかったという。


解答要約:
何者かが不正を働いて、榊原八段が考案した封じ手をより良い手にすり替えた。
その手を指してしまった榊原八段は、自らの棋士としての誇りと良心のため、まもなく投了した。


謝辞:
【1周年記念企画】の出題へのお誘いをくださった、並びに本問題のスープパートナーをしてくださった、さるぼぼさんに感謝申し上げます。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy