半年前、私は彼と別れ、子供と2人で生活をし始めた。
別れることに異論はなかったし、この半年間一度も彼を恨んだことはなかったが
今日、町中で歩いている彼を見つけたとき、彼の殺意に気が付き、絶望した。一体なぜ?
転載元: 「半年越しの殺意」 作者: 白露もみじ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/22
1行:助けを呼びに無人島から出て、死んでしまったはずの彼が生きていたから、救助を呼ばす見捨てるつもりだったと気が付いた
半年前、私と夫と子供の3人は船の遭難事故に巻き込まれたが、3人とも運よく無人島に流され、一命をとりとめた。
無人島でサバイバル生活を送りながら、救助を待っていたが、船が一切通る気配がない。
そこで、夫である彼はいかだを作り、救助を求めて、海原に出ることになった。
私は子供がいたので、彼に全てを任せて、無人島に残った。
「絶対救助を呼ぶからな。少しだけお別れだけど、みんな生きて帰ろうな」
しかし、どれだけ待っても救助はこなかった。彼は死んでしまったのだろうと思った。
2人の子供という唯一の希望を捨てきれなかった私は、絶望しながらも、無人島で生き延びた。
半年たったころ、私たちは、たまたま通りかかった漁船に救助され、帰還することができた。
そして今日、まちなかで、ふつうにせいかつしているかれをみかけた
どうして?ワタシタチヲミステタノ?アノママシンデホシカッタ?
私は絶望するとともに、つよい殺人衝動にかられた。
コロシテヤル
「ままー?どうしたのー?」
私は子供の声で我に返った。そうだ、この子がいるんだ。迷惑を掛けてはいけない。間違えてはならない。
彼の姿はすでに人混みの中に消えていた。