ビブリ尾フィリ子は暇さえあれば本を読むほどの本の虫である。彼女は学校で図書委員を担当しており、最近は図書室で本の貸出・返却の対応をしながら小説を読むのが放課後の日課となっていた。さてある日のこと、普段あまり本を読まない友人の倉須目糸子が本を借りにやって来た。糸子が借りたのはフィリ子が何度も読み返すほど大好きな小説だったため、フィリ子は「糸子があの小説を読んでくれたら、その話で一緒に盛り上がれるだろう」と思ったのだが、一方で「糸子があの小説を読むことは無いだろう」とも考えていた。何故だろうか?
転載元: 「文学少女の推理」 作者: TATATO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1952
運動会当日。クラスメートが競技に参加している最中でさえ、フィリ子はクラスの応援席で一人読書に没頭していた。その本は、これまでに何度も読んだお気に入りの小説だった。しかし競技に参加していた友人の糸子が突然フィリ子のもとにやってきて、「借り物競走のお題が本なの。ちょっとで良いから貸して!」と頼んできた。おずおずと本を差し出したフィリ子は、「彼女は本の内容には全く興味が無いんだろうなぁ」などと考えながら糸子の背中を見送った。