日曜日、近所の市民プールに遊びにやってきたカメオたち数人。
暑さを忘れられる楽しいひととき。
しかし、外の蝉の声が大きくなってくると、彼は予定よりも早い時間で切り上げて帰ってしまった。一体なぜ?
灰色ヤタガラスさんの問題です。
転載元: 「【蝉ますか? リサイクル】「プール行くぜ!」「いいね!」」 作者: 生姜蜂蜜漬け (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1894
地元の市民プールが廃業してから数年。
そこは「出る」ことで有名だった。
カメオやその友人たちは、肝試しと「いいね!」をもらうためにやってきた。
そこで知ったことは2つ。
本当に「出る」ことと、
自分たちは「出られない」こと。
扉は開かない、窓の向こうは真っ暗、変な声が聞こえると3拍子揃った、
ホラーゲーム的異空間に閉じ込められて数時間。
追いかけられて疲弊していたカメオの耳に、突如届いた蝉の声。
「外」に通じていると直感したカメオは、音の出所を必死で探す。
壁が崩れてできた小さな穴をはいずり、差し込んだ光にカメオは目をくらませた。
気が付くとカメオは市民プールの入り口に倒れていた。
蝉の鳴き声、夕方のチャイム、子供たちの騒ぐ声。
どうやら現実に戻ってこられたらしい。
時計を確認したら、来た時から1時間も経っていなかった。
あれは夢だったのだろうか。いや、そうに違いない。夢だったのだ。
自分に硬く言い聞かせると、カメオは振り返ることなく足早に去っていった。
*
帰ってきたのが自分だけだったと気づいたのは、家に帰って清めの塩をまいた後だった。