【蝉ますか？リサイクル】蝉に捧げるホームラン

甲子園出場の最有力候補だったウミガメ高校のエース・カメオが地区大会の初戦で滅多打ちにされたのは、近所の公園で蝉が鳴いていたせいだという。いったいどういうことだろうか。
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エルナトさんの問題文のリサイクルです。

ウミオが主将を務めるウミガメ高校の弱小剣道部は、明日から地区大会を控えていた。しかし先日メンバーが一人怪我をしてしまい、このままでは団体戦は出場辞退になってしまうという状況だった。途方に暮れて学校からの帰路についていたウミオは、ふと公園でバットを振り回す少年に気付いた。クラスメートで野球部のエースのカメオだ。

「ようカメオ！随分とド派手な素振りだなぁ」
「お、ウミオじゃん。いや～、これは素振りじゃなくて、五月蝿い蝉を追い払おうと思ってさ」

そう言えばカメオの家はこの近くだったか。近所で蝉がミンミン鳴いていればイヤにもなるだろう。こちらに答えながらバットを大上段から振り下ろして見せるカメオを見て、ウミオはふと「まるで剣道の素振りみたいだ」などと考え……そして、1つのアイデアに思い至った。

「なぁカメオ。今回だけで良いから、剣道部の助っ人をやってくれないか？団体戦のメンバーが1人足りないんだ」

……

こうして剣道部の地区大会に駆り出されたカメオだったが、運動神経抜群とは言え剣道はド素人。初戦で滅多打ちにされてしまったのであった。