売れない小説の急展開

20年前に発売されたものの殆ど売れずに絶版扱いになっていたとある小説が、
20年たった今になって突然話題になった。

作者のカメオはこの小説以外に本を出しておらず、
またこの20年間、表立った活動をなにも行っていない。

にもかかわらず、なぜ？

別の作家ウミオが今現在において発表したとある小説が
カメオの出した本の盗作だったことが発覚したから。

いくら売れなかったとはいえ、全く買わなかった人がいなかったわけではない（だから、殆ど売れなかったという表現となった）。
偶然両方の作品を読んだとある読者が両作品が明らかに酷似していることを指摘。カメオの本が20年前の出版物であったこともあり、ウミオの小説が盗作であるとすぐに断定された。

かくしてカメオの小説は、20年前の絶版扱いの無名の本であるにもかかわらず、
「盗作された小説」として突然話題になったのである。