検視官であるカメオは司法解剖を行う時、たまに痛いの片方の渦巻器官を取り出す事があるという。
一体なぜ?
蝸牛ますか?14タマ吉さんの問題オマージュです
【司法解剖:事件性がある、または疑われる遺体に対して行われる解剖】
転載元: 「【蝸牛ますか?オマージュ】それは蝸牛の螺旋のように」 作者: つのめ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1738
グロテスクな表現があります
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・OKますか?
カメオは運び込まれてきた頭がザクロのように砕けた遺体を見て顔を顰めつつ、遺体を運んできた男に尋ねる。
「仏さんはどんな状態で見つかったんだ?」
「陸橋から走行中の車に向かって飛び降りたみたいです、いろんなものを飛び散らせていたんで回収が大変でしたよ。目撃者はいませんが恐らく自殺でしょう。ただまぁ、念の為に解剖に回すことになりました。」
苦い顔をしながら答えた男に礼を言いつつ、解剖を始めたカメオはとある考えを閃いた。
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「やぁ、お疲れさん。どうだった?何かみつかったかい?」
「やぁ、お疲れ。断言は出来ないがこいつはただの自殺じゃないぞ。」
「ほう?それは一体なぜ?」
カメオは眉を上げた刑事の視線を誘導するために渦巻器官の乗ったトレーを指さし話を続ける。
「仏さんには渦巻器官が左側にしかなかった。普通の人間には2つあるはずのな。おかしいだろう?現場の奴らが回収し忘れたなんてことも考えられん。なら考えられる事は?」
「どこか違う場所で渦巻器官を抜き取られた被害者が陸橋の上から投げ捨てられた…。もしくは現場から渦巻器官を持ち去った誰かがいる。どちらにせよ只の自殺じゃなく他者が関わってるって事か?」
この刑事との会話は心地がいい、うてばきちんと響いてくれる。
いつもの仏頂面を少しだけ歪めながらカメオは刑事に頷いた。
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検視官として働くカメオにはもう一つの顔があった。
検視官として働く一方で現行の法では裁けない犯罪者に死を与えるアングラ系ヒーローとしての顔。
「今後、殺したターゲットの片方の渦巻器官を抜きだすとしよう。
その上で目撃者がいない頭部損傷の激しい遺体(←運ばれてくる遺体全てでは無く特定の条件を満たした遺体。問題文の「たまに」)からも片方の渦巻器官を取り出し続ければ、警察は複数の被害者に有りもしない連続性を見出して【一連の連続殺人犯】を探し続ける事になるだろう。
混乱した捜査網をくぐり抜けるのは容易い、俺はもっと大胆に動けるようになる。
あの時閃いた考えはきっと神からの啓示だったのだ。」
要約
【渦巻器官を殺人の記念品(トロフィー)にする連続殺人鬼】という犯人像を作り出す事で殺人事件の捜査を攪乱し、自分の犯行へ辿り着く道筋を乱す為。