同じ歌を何度も口ずさみながら人気の無い夜道を歩き回るエミコは、路上に停められた車の横で立ち止まり、身体を半回転させた。
いったい何故?
転載元: 「slumber」 作者: 逆立ち卵 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1618
「ねーんねーんーころーりーよー♪」
恵美子は一歳になったばかりの息子を背負って、静かな夜道を歩いていた。布団ではなかなか寝てくれないのである。
気付けば、背中で何やら呟いていた声が聞こえなくなっている。
「そうちゃん、ねんねした?」
返事はない。まだまどろんでいるだけかもしれない。
恵美子は路上の車に近寄り、窓に自分の左半身を映した。息子の顔は反対を向いていた。そこで半回転し、今度は右半身を映した。
気持ち良さそうに目を閉じている息子の姿があった。
「おやすみ、そうちゃん」