カメオはある授業の内容に非常に強い関心を持っていたため、その授業の間じゅう耳を塞いでいた。
どういうことだろう?
転載元: 「知り過ぎた男」 作者: 由布院 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1612
「では今日は、カメール13世の治世と、彼の最期についてお話しします。」
そう言って講義を始めようとする教授。カメオは頭を抱えた。
カメール13世についてもっと知りたいのは確かだ。でも、今じゃない!
カメール13世といえば、ちょうど放送中のドラマの主人公。
史実を基にしたドラマ、いわゆる時代劇の、それも週末に最終回を控えて盛り上がろうという場面。
カメオは今週、それだけを楽しみに頑張ってきたのだ。
その最終回の内容も、講義を聞けば自ずと分かってしまうだろう。
板書は最終回を見た後で写させてもらえば済むが、話の内容を知ってしまえば忘れることなどできない。
そう考えたカメオは、ネタバレ回避のために、授業のあいだ耳を塞ぐことにしたのだった。