カメオとカメコの老夫婦は、静かな余生を送っていた。そんなある日、妻のカメコの目の前に、カメコを名乗る見知らぬ女性が姿を現した。それを見たカメコは、カメオは罪深い夫だと感じた。状況を補足してください。
転載元: 「千万の笑顔と一つの涙」 作者: tomo (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1608
カメコは広い家で一人、静かに暮らしていた。ある日、彼女がテレビをつけると、とある特番が放送されていた。
『激動‼ 平成の大事件‼』
平成の時代に起きた大事件を、当時の映像や再現VTRを交えて紹介する番組だった。
彼女はリモコンから手を放し、食い入るようにテレビ画面を見つめた。
「…彼女が、ウミノカメオの最愛の妻、ウミノカメコである…」
ナレーションとともに、見知らぬ女が画面に映し出される。
画面の右上にテロップがでる。
『当時の様子を再現したVTRです』
その女は、板のような携帯電話を片手に、見知らぬ男と楽しげに語りあっている。やがて場面が変わると、男は銃を握っていて、女はそれを遠くから、不安そうな顔で見ている。しばらくして女に気付いた男は、優しく笑いながら銃を置く。
見知らぬ俳優たちの演技を見ながら、カメコは当時の様子をはっきりと思い出していた。
そうだ、彼はいつも私に優しくしてくれた。
対立するヤクザの事務所を襲撃した直後も…
大規模な麻薬の密輸に失敗した時も…
警察の捜査網に引っ掛かった時も…
私がタケノコ派だと知った時も…
傷だらけの顔を精一杯緩めて、彼は私に笑いかけてくれた…
「あんた、ずいぶんと大きい罪を背負ったんだねぇ…」
カメコは遠く離れた刑務所に向かって、ゆっくりと呼び掛けた。