カメオは偽札づくりを始めて数十年、その出来は、一般人では絶対に本物と見分けがつかないほどだった。
偽札を完成させたカメオは、外に出て実際に使ってみた。
すると、偽札の出来にはやはり問題がなかったが、カメオは捕まってしまった。
どういうことだろう?
転載元: 「無期又は3年以上」 作者: 由布院 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1568
カメオは早速、コンビニで偽札を使ってみた。
ところが、コンビニ店員はお札を受け取ると、一瞥して、
「え?何ですかこれ。まさか偽札ですか?ちょっと店長呼んできますね!」
と大きな声で言った。
静まり返る店内。集中する視線。カメオは激しく動揺する。
「どうしてバレたんだ……!」と心の中で叫び、逃走しようとするカメオだったが、
出てきた屈強な店長にあっさり捕まってしまうのだった。
偽札づくりの罪は重い。
おそらくカメオの取り調べと警察の念入りな調査によって、偽札の存在も明らかになることだろう。
ところで、なぜコンビニ店員が偽札を看破できたのだろうか?
じつは、初めから看破などしていなかったのだ。
カメオが作る偽札は旧札であった。
新札に切り替わっても、機材を一から作るのは手間であるし、一般人のチェックも甘いからだ。
現在でも問題なく使える旧札だったが、高校生の新人バイトである店員は、その旧札を目にするのは初めてであった。
そのため、旧札を偽札だと誤解していたのだ。
カメオは堂々としてさえいれば、捕まることは無かったであろう。ある意味不幸な男であった。