ウミオ教授に最終レポートを提出しに来たカメオ。彼は無事にレポートを手渡すことができたものの、ウミオはレポートを一瞥すると、内容に目もくれず、彼を落第にした。どうしてだろう?
転載元: 「時に理不尽な愛のムチ」 作者: 由布院 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1538
「すみません、ウミオ先生、いらっしゃいますか?レポートの提出に来たんですが……。」
友人に提出場所と聞いていた研究室に入ったカメオは、こちらを向いた白衣の集団におそるおそる尋ねた。
「ああ、ウミオ先生なら……」若い研究者が教えようとしたその時。
それを遮るように、
「ウミオ先生は外出中でね。安心したまえ、帰ってきたら渡しておくよ。」
と、髭が非常に特徴的な研究者が笑顔で言った。
「ありがとうございます!」
カメオは少し後ろめたかったのもあり、一言礼を言うと、足早に研究室を後にした。
「ウミオ先生、どうしてあんな嘘をついたんですか?」
若い研究者が尋ねる。
そう。先ほどカメオのレポートを受け取ったのは、他ならぬウミオ自身であった。
ウミオは立派な髭を撫でながら言う。
「君なら、この顔と髭を見ても、毎週顔を合わせている教授だと気づかないなんてことがあるかね?」
先ほどからウミオに撫でられすぎたその髭は、彼の静かな怒りを反映するように逆立っていた。
そしてウミオは、カメオのレポートの名前欄を一瞥し、名簿にチェックを付けると、レポートを丸めてくずかごに放り込んだのだった。
解説:
カメオは授業に全く出席していなかった。にもかかわらず、最終レポートだけを提出して単位をゲットしようとしたところ、ウミオの目の前でウミオの居場所を聞いたために、毎週授業をしているはずのウミオの顔すら知らないことがバレてしまった。出席がゼロでは、レポートの成績に関わらず落第するのも当然であった。