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【鰹ますか?リサイクル】呵呵大笑

[ウミガメのスープ]

ーー男気。
それは真の漢からほとばしる一種の気力。
男気を極めると、ある日自分の理想の漢像が具現化し、目の前に現れると言い伝えられる。
さて、ある日、カメオの目の前にある鰹を見て、ウミオは大笑いしたという。
一体なぜ?

【鰹ますか?リサイクル】
18風木守人さんの問題リサイクルです。


出題者:
出題時間: 2018年5月20日 0:14
解決時間: 2018年5月20日 0:41
© 2018 つのめ 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【鰹ますか?リサイクル】呵呵大笑」 作者: つのめ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1491
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【要約】
殿を任せた(自分が死地に送り込んだ)カメオが男気に目覚めて生きて帰ってきたから

続々と集まってくる凶報に大将ウミオは歯を食いしばる。
「もうどうにもならん!負け戦じゃ!撤退じゃ!」
大将の取り乱した姿に重苦しくなった天幕の空気を1人の男のあげた声が切り裂いた。
「ウミオ様!某に殿を任せて頂きたく!」
「ふむ、そちは臣沼家領にある羅寺瑠漁村のカメオだったか?あいわかった!此度の殿そちに任せる!」
「ありがたき幸せ!さすれば某、お願いしたき義がございまする!」
「許す!言ってみよ!」
「は!某には妻とやや子がおりまする、某が征くは死地、戻れようはずもございませぬ!何卒!何卒、妻とやや子をお願いしたく!」
「わかった、必ずやそちの願いに応えよう。しかし!しかし、それはそちが帰ってこぬ時に限る!わかるな?必ず帰ってこい、必ずじゃ!」

死地へと送り出す自分が言うべきではないだろう。
しかし、ウミオはカメオに帰って来いと言わずにいられなかった。

「ありがたき幸せ!男気すら発せぬ我が身なれど!必ずやウミオ様の、妻とやや子の元へ帰って参ります!それではごめん!」

~中略~

天幕を離れ1人敵陣へと向かったカメオは声を張り上げる。

「やぁやぁ!ここは某がお相手いたす!
1本釣りで鍛えた我が槍さばき!
遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ!
臣沼家が領地、羅寺瑠漁村のカメオ!いざ参る!」

その時である!
カメオの目の前に在りし日の祖父の姿が
現れた!

右手に竹竿、左手には元気に跳ねる1匹の鰹、仁王像もかくやと言わんばかりの隆々とした筋骨を惜しげも無くさらした祖父は暖かく優しい目でカメオを一瞥すると悪鬼の如く声を上げ、カメオと共に敵陣へと走り出す!

~中略~

城へと帰り着き、戦装束を解いたウミオが独り、此度の戦を振り返っていた時である。
静まり返った城がやにわに騒がしくなった事を不思議に思い、出口へと足を向ける。

そこに居たのは仁王だった。
おのが獲物を高々と掲げ、カメオの前にしっかと土を踏みしめる。
まさに漢と言える仁王様であった。

ウミオは鰹を持った漢像を見遣り、そして呵呵大笑とはこの事よと言わんばかりに大声で笑う。

「カメオよ!よくぞ帰った!その上、男気を極めるとは誠に天晴じゃ!!」
~終~
【壮大 鰹 カメオ (ソウダ カツオ カメオ)】

1人残った殿で露地香琉(ろぢかる)軍を退けた功績を残し、男気に目覚めた男。
その壮大な業績を認められ領主から苗字を
そして時の大将軍ウミオからは男気に目覚めたものへの通例として漢像の特徴から【鰹】の一文字を頂いた。
日ノ本の戦乱時代を語るに欠かせぬ男である。

その息つく間もなく動き続ける継戦能力と堅実にしかし味のある戦手腕を発揮した彼を、人々は彼の具現化した漢像の持っていた鰹になぞらえて「鰹武士」と畏敬を込めて呼んだという。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy