池の側に男が力なく倒れている。
男の手元には新鮮な鰹が一本。
いったい、何が起こったというのだろう?
(つのめさんのリサイクルです。)
転載元: 「【鰹ますか?リサイクル】空からこぼれたStory」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1369
【要約】
航空機から落下した冷凍鰹が池の側に落ちた。
遭難者のカメオはそれを食べようとしたが歯が通らず、絶望してその場で力尽きた。
発見されたときには鰹の解凍が進み、ちょうど程良い新鮮さだった。
【お話】
ある日、輸送機の貨物室のドアが損傷し、
積み荷である冷凍鰹が散乱するという事故が発生した。
その中の一本が運命のイタズラだろうか、
木々の枝がクッションとなり原形を留めたまま
山奥にある池の側にポトリと落下した。
一方、地上ではまさにその山中を遭難真っ最中のカメオ。
もう何日間も同じような景色の山中を彷徨い
気力も体力も限界を迎えようとしていた。
そんな中、カメオは池の畔に落ちている鰹を発見した。
普通に考えれば池に鰹などいるわけはないのだが
目の前の光景はどう見ても幻覚とも思えない。
「理由はどうでもいい、とにかくアイツを食べることができれば・・・」
カメオは最後の力を振り絞り、何とか鰹の元まで辿り着いた。
いただきまーす、ガブリ。
「・・・堅い。鰹だけに。」
期待を裏切られた絶望からか、一気に身体から力が抜けてしまったカメオは
その場に昏倒してしまった。
数時間後、レスキュー隊が到着し、カメオは何とか一命を取り留めたが、
その隣には、程良く解凍された新鮮ピチピチの鰹が横たわっていた。
レスキュー隊員は一様にその異様な風景に頭を傾げたという。