凝固点降下

カメコの持っていた水筒が壊れていたので、カメオは椅子に塩を撒くことにした。何故？

その日、タクシー運転手のカメオは不気味な女性を乗せた。全身白づくめ、長く垂れた髪で顔が隠れ、チラリと見えた手の色も、やたら青白く見えた。
まるで、幽霊みたいだ。カメオは震える手でハンドルを握った。そして目的地に着き、女性に声をかけると、彼女は短く悲鳴をあげ、バックを持ってそそくさとタクシーを降りた。
不思議に思ったカメオが後部座席を見ると、一面、冷たい水でびっしょりと濡れていた。
やはり彼女は幽霊だったのだ。カメオは後部座席に塩を撒くことにした。