一人暮らしのカメオ君は毎日決まった時間になると、机の上に空の皿を並べ始める。一体なぜ?
転載元: 「孤独の食卓」 作者: tomo (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1041
静かな薄暗い家の中、家政婦ロボ『カメオくん』は、今日も時間通りに起動する。まずは朝ごはんの準備である。カメオはプログラムに従って冷蔵庫を開くが、中は空っぽだった。食材は、何十年も前に使い切っていたのだ。しかし、カメオのプログラムは決まった動きを繰り返すだけだ。包丁でまな板を叩き、空のフライパンを振り、空っぽの皿に盛り付けを行う。最後に空の皿を机の上に並べると、カメオはいつも通りのあいさつをする。
『それでは、いただきます』
復唱するものは誰もいない。ただ、カメオの電子音だけが、延々と広がる荒廃した大地へと響いてゆくのだった。