民主化の潮流を受け、東京大学に「学生議会」が成立してから、もう何年経つことだろう。
学生議会は民主制に基づく絶対的な力を持ち、その決定は覆すことができない。
東大で二番目に優秀な学生Aは、議会の力で、憎き主席のSを退学させることを思いついた。
結果的にAは半数以上の投票を得たにも関わらず、Sを辞めさせることができなかった。
なぜだろう?
転載元: 「東大デモクラシー」 作者: あさだ みしも (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1032
大前提として、民主制の原則は「過半数の同意を得ること」だ。
学生議会の絶対的な力は、生徒同士の競争を補助する形で、どんどんと学生を除籍していった。
ついに学生が二人きりになったとき、Aは「あとはこいつを落とせば自分が天下唯一の東大生、しかも主席になれる」と意気込んでいた。
だが、議会の力もここまで。「半数」になることはできても、「過半数」になることのできなくなった二人は、お互いを憎み合いながら、運命を共にすることとなった。