これは、国際協力機関で働く逆瀬川雲雀係長と、会社員の夫の会話。
「なんや辛気臭い顔して…あ?せや、明日人間ドックか?」
「うん…私初めてだし…」
「そんなんへーきやへーきや。会社の健康診断に毛ぇ生えたようなもんや。」
「余裕あるなあ…」
「いやいやw ゆーたら、衛生状態もなんやわからん海外の会議場でぶっ倒れて、点滴針刺された雲雀の方がよっぽど度胸あるわ」
「だってアレは緊急事態だったしwほら、私普段は健康体で検査とか全然受けないじゃん。だからやっぱり緊張する…
あ、そうそう、会議って言えば、人間ドック受けたらその足で国際会議あるから帰りは翌日になるよ。終わり次第会議に合流して、夜はレセプション。翌日も会議の続きやって帰ってくる。」
「…相変わらずほんまタフやな。あんまり無理せんとき」
* * * * * * * * *
「お帰り。で、どないやった会議。あと人間ドック」
「人間ドックはまた結果送るって。仕事は…なんか疲れた…」
「なんや、うまくいかんかったか?」
「いや…会議自体は問題なかったんだけど、要らない気疲れしたっていうか…あ!!!!」
「ん?どないした?」
「い、いや…なんでもない…ほんとごめんね…ごめん。あ、そ、そういえば、お土産あるんだ。待ってて!!」
(何そない謝っとんねん…ま、ええけど)
逆瀬川雲雀は、なぜそんなに気疲れしまったのだろう?
*逆瀬川シリーズの過去問を知っていると、ヒントになる設定はあります。
ですが、知らなくても充分解けます。
*それとは別に、要知識・要経験要素があるかもしれません。
転載元: 「perdóname, sorry」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10314
*検査で外した薬指の指輪をはめるのを忘れたせいで、レセプションでやたら口説かれたから。
とにかく疲れた。
人間ドックでまともな食事も取れず、あれやこれや色々された後だったので、一層堪えたのかもしれない。
しかし、本当に閉口したのはそこじゃない。
なんかいろんな方面の人たちからやたら口説かれたんだよなあ…
確かに、普段から男性に声をかけられることはある。
自分では全然恋愛体質だと思ってないし、むしろ全く関心ないのに、アシスタントの御影にまで、「モテ女体質ですね」って言われる始末。
しかし、今回はいつもに増して多かった。ほんと、ありがた迷惑。
だって私には大事な夫が…大事な夫…
…あれ、私結婚指輪してない?
それでか!流石に指輪してるとそこまで声かけてくる人多くないもんなあ…
いや、まって、指輪、どこに置いてきたんだろう?
普段外さないのに…
…そうだ!!人間ドックの検査!!金属のアクセサリーは全部外せって言われたんだった!!
あの後どうしたんだっけ…確かパースにしまったよな…その後慌ただしくて、ずっとそのままにしてたはず…
夫に対するちょっとの後ろめたさ。
指輪をしていないことがバレないように、お土産を持ってくるふりをして、急いで指輪を探しに行く逆瀬川であった。