霊亀公園で男の死体が発見された。
そばで拳銃が発見されたため拳銃による自殺だと思われていたが、公園の近くを通った通行人から「30分ほど前に公園の方で発砲音らしき音があった」という証言が出ると、警察は拳銃は事件と無関係と断定する捜査方針に切り替えた。なぜ?
*Q7 白石コーソーさんのオマージュです。
転載元: 「【パンますか?オマージュ】ricochet, you take your aim」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10308
*死体はすでに白骨化しており、「30分前の発砲」とは無関係。そして、その拳銃は、30分前に使われた拳銃である可能性の方が高いと思われたから。
霊亀公園は、市内でもいちばん大きい公園だ。
あえてあまり手を入れずに自然のままにしてある、鬱蒼とした林のようなエリアもある。
死体が発見されたのはそこだ。たまたま、林の方に駆け出した、散歩中の犬が見つけたとのことである。
死後どれぐらい経過しているのかにわかには判断がつかなかったが、死体は既に白骨化していた。
もちろん身元もまだわからない。
残っている衣服の痕跡から、男だったのだろうということが推測されるのみだ。
傍には一丁の拳銃。
この白骨化している状態では、すぐに死因はわからないが、拳銃がある以上、関係があると疑うのが筋であろう…と警察が考えた矢先、つい少し前に発砲音が聞こえたとの証言が出てきた。しかも複数の証人から。
どうやら、公園内で発砲事件があったようだ。
この平和な日本の地方都市で、そんなに何度も拳銃が使われるなんてことは考えにくい。
ここなら鬱蒼としてすぐにはバレないから、ということで、拳銃を捨てて逃走した、という可能性もある。
白骨死体が近くにあったのは、単なる偶然だ。
そのような疑いで見ると、この拳銃は比較的放置されて新しいものであるように見える。
30分前の発報で使われたものである可能性の方が高いだろう。
身元もまだ確認できていない白骨死体よりも、逃亡中と思われる銃撃犯の方が優先度は高い。
そしてその犯人はまださほど遠くには行っていないはずだ。
警察は、発見された拳銃はそちらの事件の証拠品である蓋然性が高いと判断し、まずは銃撃犯捜査に全力を注ぐのであった。