ある歴史の古い学園では、毎年数名の「優秀学園生賞」を選定する。優秀とする理由は学業、スポーツ、芸術、ボランティア活動など多様である。
その年の授賞式も、選ばれた1位から5位までの5人が椅子の並べられた体育館の一番前に座る。
校長はそれら一人一人の前に歩み寄り、授賞理由を高らかに述べて賞状を渡していく。
全校生徒が拍手をする。
最後に1位のスポーツ全国大会で優勝した生徒が賞状を受け取り、式は滞りなく終了した。
だが、今年は奇妙なことに、1位の生徒より、2位の生徒が受賞する際の拍手がはっきり大きかったのだという。
いったいなぜだろうか。
転載元: 「優秀学園生賞」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1025
子供のころからの病気で車椅子生活をしていた2位の生徒。困難なリハビリに耐えており、そのことを知っている学園生も多数いた。
賞状を受け取るときは、当然ながら受賞者は起立する。
だが当然この子は座ったままだろうと、かがんで賞状を渡そうとした校長に対し、生徒は車椅子からぎこちなく立ち上がって受け取ったのである。
立ち上がって賞を受ける姿に皆は驚くとともに、大きな拍手を送ったのだ。