【贈りますか？リサイクル】ribbons and laces and sweet pretty faces

逆瀬川雲雀の働く国際協力機関では、毎年、社会問題の解決に貢献した女性を表彰する"Women for the Future Award"を企画している。

「逆瀬川課長、今年の表彰予定者のカメコ・フィリグリーさんってどんな方なんですか？」

「さまざまな国の織物を使った高品質な装飾リボンで有名な、La mode e le mondeの創始者よ。
途上国の若い女性にその国の伝統的な染色、織工を教えたことで、女性の経済的自立や社会的地位の向上、伝統文化の継承、さらには国の財政改善にまで貢献した功績を評価されたわけだけれど、その中でも彼女が注目したのが、いわゆる『端材』、つまり布の端切れだったそうよ。
もちろん資源の持続可能な有効活用という意味合いもあるけれど、完成品のテキスタイルは会社の商品だから、間接的にしか女性たちの収入にはつながらない。
でも、商品にならない端切れは女性たちが好きにしてよかったってことね。
だから、それをLa mode et le mondeで装飾リボンに加工して売ったの。
その品質の高さはエスキーロ・リストラードをはじめとするハイブランドにも注目され、高く取引された。
カメコさんはその利益を女性たちに還元したのよ。」

「そうか、リボン専門店がきっかけだったのですね…ああ、これか！見たことあるある。」