今年成人式を迎えた花梨は、自他共に認める才色兼備の可愛い女子大生だ。
成人式の日には、当然、豪華な振袖を着て写真館で写真を撮ってもらった。
もちろん写真は申し分ない出来だったが、花梨は複雑な気分だった。
なぜだろう?
転載元: 「"It's supposed to be fun turning twenty-one”」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10166
元アイドルなので、お金を払って写真を撮ってもらうことに対する「違和感」があった。
一流難関大学に通う、20歳の花梨。
だが、3年前までは、アイドルグループでセンターを張る、「かりんちゃん」だった。
元々、大学受験までという条件で家族に許してもらっていたアイドル活動だったので、その時が来たらあっさり引退し、受験勉強に専念した。
そして、大学に入ってからは、アイドルの過去も捨て去り、学業に専念していた。
成人式の日。
プロにメイクをしてもらい、写真を撮ってもらうのは、久しぶりだった。
「では、着付け・メイクと写真で〜万円になります。」
(えっ…?写真撮らせてお金払うの?お金もらうんじゃなくて?…まあ普通はそうか…)
アイドル時代のことは忘れているつもりだったが、ついそんなことを思ってしまった花梨であった。