ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、男はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止めて、シェフを呼びました。
「すみません、これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい……ウミガメのスープに間違いございません」
とシェフに言われました。
しかし男は、
(……いいや、そんなはずはない。これがウミガメのスープ?きっと人肉のスープか何かなのだろう。このレストランは、客にウミガメのスープと偽って人肉のスープを提供している非常に悪辣な店なのだ。そうに違いない)
そう考えながらも、「ウミガメのスープ」をとても美味しそうに勢いよく飲み干しました。
一体なぜ?
転載元: 「ウミガメのスープ 飲み干し編」 作者: 光四 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9930
男は無一文で、空腹のあまり食い逃げをしようとしている。
それは紛れもなく本物のウミガメのスープだったが、一度、近くにいたシェフを呼んで、ウミガメのスープであるかどうかを聞いて、
「はい……ウミガメのスープに間違いございません」
「そうですか、わかりました。ありがとうございます」
男が笑顔でそう返答して、シェフが安心してどこかへ行ってしまうのを見計らってから、
(……いいや、そんなはずはない。これがウミガメのスープ?きっと人肉のスープか何かなのだろう。このレストランは、客にウミガメのスープと偽って人肉のスープを提供している非常に悪辣な店なのだ。そうに違いない)
そう無理矢理思い込んで罪悪感を消しながら、とても美味しそうに勢いよくスープを飲み干して、そのまま立ち上がって勘定せずに出入り口へと早足で歩いていき、
「……お客さん、勘定済んでませんぜ」
死角から見ていたシェフ長に取り押さえられました。