四本のワインを前に、カメオとウミオは頭を抱えていた。
このワインは、ラテオが街へ出かける道すがら二人が住む家に届けたもので、ラベルにはそれぞれ一から四の番号が振られている。
ラテオは今晩自宅でパーティーを開催し、そこで自家製ワインを振る舞う予定なのだが、泥酔しながらワインを作ったせいで、砂糖と間違えて睡眠薬を入れてしまったという。
四つの酒樽のどれか一つに入れたことは覚えているものの、どの酒樽に入れたかを忘れてしまったため、睡眠薬が入っているワインの特定を二人に頼みにきたのであった。
ラテオは帰りに再び二人の家の前を通るため、それまでに睡眠薬入りワインの番号を紙に書き、ドアの前に貼っておく約束を交わした。
睡眠薬の効果が現れるには早くても二時間、遅いと三時間はかかるらしいが、ラテオが家の前を通るまであと四時間弱しかない。
そんなわけで、カメオとウミオは睡眠薬入りワインを特定すべく、あれこれと考えを巡らせていた。
そろそろ日も暮れる頃、パーティーグッズを引っ提げたラテオが二人の家の前を通りかかり、ドアの前に貼られた紙を確認すると自宅へ帰っていった。
その晩、ラテオは無事にパーティーでワインを振る舞うことができたのだが、二人が紙に書いた番号は睡眠薬入りワインの番号ではなかったという。
一体なぜだろうか?
転載元: 「利きワインでおやすみ」 作者: ぺてー (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9923
A. カメオがあらかじめ『一』と書いた紙をドアに貼っており、睡眠薬入りワインが『二』であると特定できた後、起きていたウミオが紙に『一』を書き足したため。
一:カメオ○・ウミオ○
二:カメオ○・ウミオ×
三:カメオ×・ウミオ○
四:カメオ×・ウミオ×
カメオとウミオは、上のように分担してワインを飲むことを思いついた。
飲んでから三時間以上が経過して、二人とも寝たら『一』、カメオだけが寝たら『二』、ウミオだけが寝たら『三』、どちらも寝なかったら『四』のワインに睡眠薬が入っているとわかる。
二人はこの作戦通り決められたワインを飲んだのだが、その後あることに気がついた。
カメオ「なあ、二人とも寝たら紙に番号書けないんじゃないか?」
ウミオ「…たしかに。睡眠薬の効果にもよるけど、いきなり眠りに落ちたらアウトだな。なら、もう今『一』って書いてドアに貼っとこうぜ。」
カメオ「なるほど、天才か?じゃ貼っとくわ!」
カメオは紙に『一』と書いてドアの前に貼っておいた。
それから三時間半後、ウミオは部屋でひとり目を覚ましていた。
ウミオ(カメオはぐっすりだな。ということは『二』のワインに睡眠薬が入っていたのか。)
いちいち紙を貼り替えるのが面倒だったウミオは、ペンを持って家の外に出ると、ドアに貼ってある紙に『一』を書き足した。
それから少しして、ラテオが二人の家の前を通りかかる。
二人が紙に書いた番号はどちらも『一』であり、睡眠薬入りワインの番号ではない。
しかし、ラテオにしてみれば当然、紙に書かれている番号は『二』であり、きちんと睡眠薬入りワインの番号が書かれている。
こうしてラテオは無事、パーティーでワインを振る舞うことができたのであった。
ラテオ「さすがカメオとウミオだな!」
カメオ「こんなしょうもない理由で、人に睡眠薬なんか飲ませるな。」
ウミオ「前日までに持ってこい。」
ラテオ「すまん……」