うそつきな女？

「ありえないだろ？は？？？カメコ？？？なんだって？、もう一回言ってくれ何を言ってるかわからないよ」

カメコは妊娠したことを恋人のシンジに伝えたが彼はしばらく茫然とした後に怒り出し別れたいと言い出した。

彼女は美女でありスタイルもよいうえに賢く性格もほがらかで非の打ちどころのない人間であったし
シンジも昨日まではカメコと一生添い遂げたいゆくゆくは子供も育てながら暮らしたいと本心で考えてた。

彼の愛が本物であった証拠に近い将来家族で暮らすことになった時には
カメコと子供の両方に同じ「ある事」をするつもりであったのだ。
さて、「ある事」とはいったいなんであったのだろう？

「ある事」＝養子縁組

シンジは男でありながら男しか愛せないゲイであった。
二人の出会いはニューハーフやゲイが集まるバー。

ノリでそこに遊びに来ていたカメコはこれまたノリで完全改造済みのニューハーフ
と偽りシンジと仲良くなった。

それから月日がたち二人は何回も遊び、カメコは嘘をばらせるタイミングも
何回もあったのだが奇跡的に間が悪いことが続き言えず
シンジのことが本気で好きになった時にはもう言い出せなくなってしまっていたのだ。

妊娠に気づいたときにカメコは今まで言い出せなかった自分の勇気のなさを呪った。
だがカメコは先日シンジが語った言葉を思い返す

君と家庭を持ちたい書類上正式な夫婦にはなれないけど
俺と君とで養子縁組をすれば遺産の相続だってでき法的なつながりも持てる。
カメコが子供が欲しいならそれも養子でもらってくれば何も問題ない
俺たちもちゃんとした家庭を作れる、と言ってくれたんだ。

養子が実の子供にかわっただけだし問題ない
男とか女じゃなくて彼が愛してるのは私なんだから問題ない。
カメコは胸の中でそう唱えながらシンジに打ち明けにいく。

「シンジ聞いてわたしあなたの子供を妊娠したの、私本当は女なの名前もカメオじゃなくてカメコっていうの」

「ありえないだろ？は？？？カメコ？？？なんだって？、もう一回言ってくれ何を言ってるかわからないよ」

シンジは自分の信じていたものが崩れていく音が聞こえた気がした。