ピンク色の缶のエナジードリンクはトロピカルフルーツ味。女の大好きな味で、女はいつもそれを飲んでいた。
ある日同じピンク色の缶を開けたらサクラフレーバーだった。
正直、サクラフレーバーはいまいちだったのだが、女はそれを買い続けることにした。
なぜだろう。
*Q11 セルフアレンジ(オマージュ)です。
転載元: 「【桜ますか?オマージュ】someone who's got the flavor」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9531
*海外で気に入って飲んでたドリンクがようやく輸入された。フレーバーは妙なアレンジされてるけど、ここで買わなくなったら、もう撤退してしまうかも。
猫山御影には、海外赴任時に毎日欠かさず飲んでいたお気に入りのドリンクがあった。
「ブルーオックス」というエナジードリンクの類である。
その名のとおり、ベーシックなものは青を基調にした色の缶で、普通のエナジードリンク味なのだが、「キウイ」(緑)「スイカ」(赤)「ブルーベリー&カシス」(水色)「ココナッツ&パイナップル」(白)など、様々なフレーバーがあって、次は何を買おうか楽しみだった。
期間限定のものも多く、中でも、御影が好きだったのは、春から夏にかけて売られるピンク色の「トロピカルフルーツ」だった。
ところが、帰国してみると、どこに行っても「ブルーオックス」は手に入らない。
どうやら成分の関係で輸入の許可が下りないみたいだ。(法律に詳しい親戚の教授が言ってた。)
御影は、失意の中で暮らしていた。
そんなある日、輸入食品を多く扱う、ちょっとお洒落なスーパーに入った御影は、見慣れた缶を見つけた。
あの懐かしいブルーオックス。
しかも、ベーシックエディションだけではなく、ピンクの缶まであった。
これは!私の!大好きな!!「トロピカルフルーツ」!!
喜び勇んで購入した御影は、すぐさま缶を開ける。
一口口に含むと…あれ?なんか違う?何この味?
感をよく見てみると、「Japan exclusive!春限定!サクラフレーバー」なんて書いてある。
…いや、そういう限定いらないんだけど。
しかもなんかいまいちだよ、これ。
とは思って見たものの、ここで買うのをやめてしまったら、もう日本から撤退してしまうかもしれない。
このまま買い続けていたら、次は好きだったフレーバーが登場するかも。
そう思って、さほど美味しくないと思ったサクラフレーバーを購入し、周囲への布教に努めるのだった。