飼料として馬肉を扱っていたスイヘイ動物園が馬まみれになった。
一体なぜ?
*Q8 kUmaさんのリサイクルです。
転載元: 「【桜ますか?リサイクル】just like animals-mals」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9522
*“動物園の経営には多大な費用がかかるので、J◯A様に若干のご支援いただけると大変ありがたく…”
「このままだと閉園だな」
「えっ そんな」
数年前、水平市立スイヘイ動物園は、経営難に陥っていた。
スイヘイ動物園の展示の目玉は、ライオン、トラ、ヒョウ、ピューマ、チーター、グリズリーなど、大型肉食獣。
だが、何せ奴らは金がかかる。
餌の馬肉代だけでも相当だ。
そして、ああ見えてとてもデリケートだ。実は草食獣の方がずっと図太い。
病気にかかりやすいし、繁殖も難しい。
動物たちも高齢化が進み、たまたま医療費が嵩むことが続いてしまった。
そこに拍車をかけるような感染症流行による来園者源。
施設の老朽化によるメンテの必要性。
少子化による長期的なカスタマーの減少。
この規模の市でこの規模の動物園を維持することは、土台無理だったのかもしれない。
「こうなったら、望みは馬しかない」
「ですね」
そう、この規模の市でこの規模の動物園を維持できていたのは、他でもない、この市に競馬場があるからだ。
そこからの税収、そして来場者による経済効果は馬鹿にならない。
市の担当者は競馬場に交渉した。
市民サービスやイメージアップに力を入れたい競馬場としても快く引き受けた。
かくして、動物園には馬関係のイベントが増えて、馬まみれ感が増えた。
馬のお絵かきコンテスト、ポニーライドは子供たちを惹きつけた。
冬には、馬の形のイルミネーションが話題となり、カップルを呼び寄せた。
人々の夢を乗せて、今日も水平市立スイヘイ動物園は賑わっている。