男は読んだことがない『海底二万里』の内容を早口で説明した。
なぜ?
*Q7 kUmaさんのリサイクルです。
*具体的な場面は少し要知識かもしれませんが、そこまで特定しなくても正解としまりす🐿️
転載元: 「【まいりますか?リサイクル】all of your words are like poems to me」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10271
聞いたことをどれだけ覚えていられるかの検査を受けているから。
(あらすじを知っていると、記憶力を検査したことにならないので、読んでいないことが重要。)
スクールカウンセラーも請け負っている甲東園美也の元に、男子生徒の親御さんから相談があった。
子どもに落ち着きがなく、成績も伸び悩んでいるという。
いわゆる「育てにくい子」の相談だ。
こういう子には、まず知能検査をやって発達のばらつきを見るものなのだが、その子は、カウンセリングルームに入ってきた時から、そわそわとして集中できない様子で、すぐに知能検査を実施するのは無理そうだった。
でも一目見て、甲東園にはこの子の特性がなんとなくわかった。
「『海底二万里』って小説、読んだことある?」
「え、突然何?ないけど?」
「じゃあちょうどいいわ。ちょっと聞いていてね。」
そう言うと、甲東園はスラスラと早口でそのあらすじを語っていった。
「今、私が話したのがそのあらすじ。それを教えてもらえる?」
すると、生徒は、甲東園以上の早口で、そのあらすじを語ってくれた。
ほとんど一言一句間違いなく。
しかし、そこで使われた少し難しい言葉の意味を尋ねたり、主人公の気持ちを推論させようとすると、きょとんとしている。
音としての言葉は完璧に頭に刷り込まれるのだが、それを意味のあるものとして深めていくことができない。
(やっぱり…ワーキングメモリー、それも音声言語の処理が飛び抜けて高いんだな。きっと。その割に、言語理解や知覚推理が弱いのかもしれない。)
「すごいね!!記憶力いいんだ!
じゃあ今度はこの検査やってみようか?」