心理カウンセラーの美也は、精神的な悩みの相談を専門としているが、ある時から、それとは全く関係ない悩みの相談が増えたことに気付いた。
そして、その悩みはことごとく犯罪関係だった。
なぜそんなことが起きたのだろう。
*Q9 セルフリサイクルです。
転載元: 「【悩みますか?リサイクル】dreaming I was locked in a prison cell」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10117
*一部分ずれた電話番号を掲載されてしまったため、末尾4桁「-8930」(暴力団対策相談窓口)にかけたい人が「-7830」(こころのお悩み相談室)にかけてしまっていた。
心理カウンセラーの美也は、市から委託されて、「こころのお悩み相談室」の電話相談を担当している。
電話番号は、0××-◯◯◯-7830(なやみゼロ)だ。
多いのは、不安や不眠、うつ、妄想、強迫性行動、依存症などの相談だ。
ところが、ある時からこんな相談が増えてきた。
「闇金で借金をしてしまって、ヤクザから追われているんですが、どうすれば良いですか?」
「組から足を洗いたいんだが、話付けてくれる奴いないか?」
「お店にみかじめ料を請求してきて困ってます。断ったら店で薬の取引するぞみたいに脅されて…」
なんだなんだこれは。
「自分は世界的マフィアのボスだ。敵対組織から狙われてるから窓も開けられない」とか、「組にいた過去が気になって夜も眠れない」とか、「無理やり薬を勧められて使い始めたが、やめられなくなって困っている」ならわかる。
でも、相談者との話が一向に噛み合わない。
思い切って相談者に尋ねてみた。
「こちら、◯◯市こころのお悩み相談室ですが?」
「え、警察の暴力団対策窓口ちゃうん!?0××-◯◯◯-7830やろ?なやみゼロで覚えとった!」
検索してみると、その窓口の番号は「0××-◯◯◯-8930(やくざゼロ)」だった。
どうやら、新しくできた暴力団対策相談窓口を市の広報に掲載する際、数字を打ち間違えてしまったらしい。
確かに7,8と8,9は隣だし、「なやみゼロ」でも通らないことはない。
…市に連絡して至急訂正を出してもらうことにした。