is it cool that I said all that?

自分の代わりに異業種飲み会に行ってくれた上司の逆瀬川雲雀に、恐る恐る感想を尋ねる猫山御影。

「逆瀬川課長、私の代わりに異業種飲み会お願いしちゃって、ほんっと申し訳ありませんでした！ そんなんだって知らなくて！」

「まあ楽しかったよ。若い子が多くて。
あ、でも、あんまりよくわかってなさそうな２０代前半の子もいたな。
なんか、『国際機関ってすごいですね？英語とかどのぐらいできるんですか？』とか聞いてくるんだよね。
そんな私個人のことじゃなくて、仕事のこと聞けっつーの。」

「（やっぱりか） …で？」

「いや、『TO◯ICの点数』とか言ってもそんなん何の意味もないし感じ悪いだけじゃない？
　向こうが国際機関って聞いてきてるんだから、『仕事』で使うのなんて当たり前だし、『会議で議論』とかも当然だし…
　じゃあ、プライベートに置き換えて『けんか』、とか考えたんだけど、私平和主義だから、英語でも日本語でもけんかなんてしないw
　友好的な方で考えたら、『相手を口説けるぐらい？』ってのも思ったけど、そんなんもっとしない。一応人妻だしw
　それで、あ、って思いついたんだけど」

「（ああ…嫌な予感する…） それで何て答えたんですか？」

「『口説いてきた殿方をやんわりとお断りする程度には』、ってw
　裁判官には ”Many thanks for taking kind care of me, but waiting for me in front of my office everyday like this may constitute a crime, Mr. Justice” （気にかけていただくお気持ちは大変ありがたいのですが、こんなふうに毎日オフィスの前で待っているというのは、犯罪を構成しかねません、判事さん） とか、精神科医には ”Doctor, I am sure my superego tells me you are incredible as a person but my id would not choose you as a male” （先生、超自我レベルでは先生のことを素晴らしい方と理解しておりますが、イドのレベルで男性として選んでいるわけではございません）とか、人類学教授には、”Professor, I appreciate you respect our old tradition of noblemen visiting favourite ladies, but practicing it now…” （教授、平安貴族が愛する女性の家に通う風習を理解してくださっていることには感銘を受けます。でも、現代でそれをやったら…） とか過去の実例の一部を出して説明してたら、なんか席を立たれちゃって。いけなかったのかしら。自慢ぽかった？」

「いや…そういうこともあるのかもしれませんが…いえ、まあ、気にされない方がいいと思います。」
（異業種飲み会とはいうものの、その実は若い人の合コンっぽい集まりだってこと、後で知ったんだよね…。
　…まって、でも相手２０代前半ってことは２０歳近く下？
　やっぱりこの人のモテ女体質相変わらずだな💦）